今回はお金2.0 新しい経済のルールと生き方について紹介します。
まずこの本を手に取った理由ですが、お金について普段あまり意識して生活していないので、何か発見があるかもしれないということで読みました。
この本では、今の資本主義が新しい価値観によって変わっていくであろうことが、示唆されている本となっています。
今の世の中(お金で見られる)に不満を感じている人は、それが変わっていく世の中になっていくであろうことが、感じ取れるかもしれません。ぜひ読んでみてください。
イントロダクション
著者 | 佐藤航陽 |
出版社 | 幻冬舎 |
出版日 | 2017/11/30 |
内容紹介
今回は2つのキーワード価値主義、分散化の切り口で紹介する。
自然と社会
キーワードを掘り下げる前に、この本に流れている(と僕が考えている)1本の線を記載する。
それは社会は自然を模倣しようとしているという点だ。この本の議論はすべてこの考えから始まっている。1章でこの話が出てきます。読む際はこの考えを基に読んでいくと読みやすくなるかもしれません。
しかし現代社会はまだ完全に自然のシステムと等しくなっているわけではない。しかしテクノロジーの進化とともにそれが実現し始めている、という点をお金の観点から書いている本であると僕は感じた。
分散化
分散化は簡単に言ってしまうと管理人がいなくなるシステムといえる。
例に挙げるとビットコインがある。これまでのお金、例えば日本円は銀行だけが作る権利を有しており、いわば独占していた。しかしビットコインはマイニングという作業を行うことで、だれでも発行者になれるシステムになっている。またフォークというシステムによって独占や支配からも守られている。そのため管理を行うものがいなくても自立してシステムが働く。
中央集権化(独占)から民主化(分散化)の流れが来ている。
こうして経済は民主化される流れとなっていくことが予想される。
過去には知識の民主化が起こっている。活版印刷技術、インターネットを得て今ではだれもが簡単に知識を手に入れることができる。この流れが今や経済にも到来するということだ。
価値主義
これは資本主義に変わる新たな考え方として著者が提案するものだ。
この考えは資本主義を拡張したものと捉えられる。これまでの資本主義では有用性があるかだけで価値が図られていた。だが人間にはお金にならなくても大切にされていること、感謝や好意、信頼といったものがある。これらも価値という指標で評価される社会になるということだ。今やTwitterでのいいねの数によってこれらの指標も可視化されるようになった。
この資本以外の価値によって新たな経済が実現すると予想している。
こういった社会が来る中でどう生きていくのかについても本書の4章、5章でふれられているので確かめてみてください。
おすすめ本
東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった!
分散化によって政府が担う役割が少なくなっていくと書かれていましたが今の政府は何を果たしているのかも知っておいたほうが良いかもしれません。
この本では経済という切り口で政府が担っていることを知ることができます。僕の読書記録も参考にしてみてください。
個人的に商品貨幣から信用貨幣という流れも、ある意味テクノロジーによって信用という価値が扱えるようになったってことなのかなーというような捉え方をしています。
感想
おもしろかったです。
割と自分も資本主義の考え方に染まっていたような気がしています。しかしこの本を読んでさらに広い価値主義という視点を得ることができたような気がします。
今の世の中を見ていると間違いなくこの未来に向かっていると思います。
そんな社会で自分はどう生きていくのか僕はまだ答えが見つかっていません。
僕だけの何か独自性を見つけていきたい。読み終わった今はそんな気持ちです。
まとめ
社会は自然を模倣している。模倣する方向に向かっていく。
分散化に伴い独占されていたものがなくなっていく(民主化)。
資本主義から価値主義の世の中になる。
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